泊まったB&Bは、マッケイグズ・タワー(McCaig’s Tower)への丘への途中にありました。朝は、小雨が降っていましたが、夫婦で散歩にマッケイグズ・タワーに行ってみました。
   
この建物は本当に不思議な建物です。モニュメントと言えばそれまでですが、何を作ろうとしたのか確かに不思議です。(アートギャラリーを作ろうとして中断したらしいです。)
ただ、間違いなくこの施設はオーバンの町のシンボルです。

オーバンは大きな港町です。今日、行こうとしている『マル島』そして、『アイオナ島』という大きな観光地へのフェリーが出ています。
マッケイグズ・タワーからは、その港を見下ろすことができます。大きなフェリーが停泊しています。
 

B&Bの奥さんが、朝食の時、盛んに『パンケーキはいらない?』と言われるので、じゃ少しだけくださいと言うと、とっても嬉しそうに、『それがいいわよ』っと、いそいそと作り始めてくれました。
たくさんのフルーツが乗った、これがとびきりおいしいものでした。パンケーキは本来はスコットランドの朝食にはめずらしいと思うので、たぶん彼女のご自慢なのでしょう。
 
                 この朝食の後に      このパンケーキです    もうお腹一杯

朝のフェリーに乗るために港へ降りていきました。残念ながら今日は、雨がひどくなる感じがしていました。

 
フェリーの乗り場は、今までの中で最も立派なものでした。そして、乗ったフェリーも最も大きく豪華でした。たくさんの人が、雨の中を待っていました。

しかし、残念なことに雨がだんだんと激しくなってきました。

フェリーは、クレイグニュア(Craignure)に着きました。このころから雨がますます激しさを増してきました。めざす『アイオナ島』へのフェリーは、島の西の端から出ています。

マル島は今までの島とは、少し異なった印象の島でした。本当に荒れ地の広がる島、しかも雨はますます激しさを増し、もう嵐です。

 
その雨が、まるで滝のように山の斜面を流れ落ちます。
場所によっては、道路が水たまり状態でした。しかも、道が狭いんです。

スコットランドの道には番号が付けられています。『M』が日本でいう高速道路、モーターウェイと呼ばれています。『A』が日本でいう国道や県道の対面通行ができる道です。そして、『B』は、対面通行ができない道がほとんどです。(Single Truck Road)
対面できない道というのは、日本ではほとんど無いと言って良いくらい珍しいですが、スコットランドではごく普通にあります。

どうやって車どうしがすれ違うかというと、『待避所(Passing Place)』 が設置されています。
これが実に良くできています。相手の車が認識できる位置に、本当に合理的に待避場所が設置されています。
多くのところでは白と黒のポールが立っていました。(ただし、地方によってデザインは異なるようです)

そして何より、ドライバーのマナーがすばらしいのです。相手が見えたらすぐそばにある『待避所』へ車を入れ、ライトをパッシングして、相手に合図します。
そして、すれ違うとき『必ず』フロントグラスごとに、手をあげて挨拶するのです。
最初は、タイミングがわからず譲ってもらってばっかりだったのですが、だんだんと早く待避場所に入り、譲れるようになってきました。

M道路(モーターウェイ)は、制限速度が時速70マイル(112km/h)の自動車専用道路です。
その他でも中央分離帯がある道路(Dual carriage-ways)も時速70マイルです。

それ以外の中央分離帯のない道路(Single carriage-ways)は、制限速度は時速60マイル(96km/h)です。
詳しくは、こちらのもハイウェイ・コードをご覧下さい。(画像をクリックして下さい)

日本の多くのホームページの記載に間違いがあります。A道路とB道路に速度制限の差があるとしていますが、法規では、中央分離帯の有無しか種別はありません。

ただし町中を通過するときは、きちっと標識があり必ず減速して走ります。
そういう意味では、B道路は、多くの場所で50マイル、40マイルの規制がありました。

規制標識はとても合理的で、急に標識が出るのではなく、予告標識が出ます。
標識のマークが、3、2、1と減っていき、次の最後の標識で規制がはじまり(終わり)ます。
 速度規制標識    速度規制終了標識


これが実際の速度規制の標識です。道の両側にとってもわかりやすく立っています。緑地に白の斜線は、あと2つ目の標識で規制が始まるという事を表しています。

また、速度監視のカメラはとても多いですから気をつけましょう。
                    

この運転を続けているうちに、どしゃ降りの中の運転も楽しくなってました。
しかし、残念ながら島の西の端まで行くには時間かかかりすぎました。天気も悪かったので、フェリーで、アイオナ島へ渡るのはあきらめ、早い目にトバモリーの町に行くことにしました。

トバモリーの町は、海岸沿いの崖の下に広がった町でした。きれいなペインティングされた建物が面なっています。観光客もたくさんいてとても活気のある雰囲気でした。

 
トバモリー蒸留所です    

私たちは、この港から、キルホーアン(Kilchoan)に渡る予定でした。ところが、そのフェリー乗り場と思える場所には、待っている車も人も誰もいないのです。チケット売り場があったで、ダイヤを確認したところ間違いなく便はあるのですが・・・なんか不安!

そうこうしていと、海から小さなフェリーが近づいてきます。
『やっぱりここで良かったんだ』妻と話をしていると、船の上の係員が、手招きしてくれました。
私達が乗り込むと、あともう一台後ろから車が来て、結果二台だけを乗せてすぐに出港しました。
     
もう一台は、子供連れの家族で、港までおじいさんとおばあさんが見送りに来ていました。
海は相当な『しけ』でしたが、あっという間に対岸に着きました。ただ着いたキルホーアン(Kilchoan)は周りに何もない海岸でした。
とにかく、今日の宿まで着かないといけないので走り始めました。


すると、目の前に大きな牛が道路をふさいでいるではないですか、しかもクラクションを鳴らしてもびくともしないのです。どうしたらよいかと迷っていたら、先ほどの家族連れの人が後ろの車から降りてきて、両手を広げて、声を出して追い払ってくれました。
(超、簡単!)
降りていくのは、本当に怖かったんです。牛の種類は、ハイランド・カトルと言うそうです。

ほとんど他の車とすれ違うこともなく、無事予約しておいたB&Bに着きました。

Loch Shiel House Hotel 
Acharacle 
Argyll 
PH36 4JL 

Tel: +44 (0) 1967 431 224 
Fax: +44 (0) 1967 431 200 
info@lochshielhotel.com

夕食も、このホテルのレストランでしましたが、お客さんは他にはいませんでした。
(寂しい!)
ただ、併設のパブには多くの人が飲んでいました。(あっちで食べたら良かったかな。)

食事を終え、少しワインを飲みすぎた妻が、良い気持ちになって先に部屋に帰ったので、私はひとりでパブに入っていきました。
(ホテルのHPより)手前で食事が可能です。
 地元の人達  バックバーです。

そうすると・・・・突然、酔っ払いのおじさんが『こいつに、マッカランを飲ませてやれ!』
とバーテンダーに言ってくれました。(本当にこんな感じの言い方でした)
『いやぁ、結構です』と断っても『絶対飲め、マッカランが最高だ!』と言って聞かないのです。
バーテンダーさんが、『飲んでいいよ』といってくれたので、ごちそうになりました。


飲み終え、礼を言っているのですが、彼が何を言っているのか良くわからないので、カウンター内のもうひとりの女性の人に
『私は英語が苦手だから彼の言ってることがわからない』と言ったら
『私も、何を言っているかわからないから、気にすることないわよ』と言ってくれました。
そうこうしていると、またバーテンダーから、『次に、彼が何か飲んでいいよと言ってるよ・・・』

と言われました。写真のちょっと太った人です。 

お礼を言って、飲み終えバーテンダーさんに
『どうして、見ず知らずの人に、ご馳走してくれるの?』と聞いたら・・・ひと言・・・
ホスピタリティ』と言ってくれました。つまり、『歓迎』です。
もちろん、ご馳走してくれた人々全員に、おごり返したのは当然です。
そんなことをしながら、楽しいパブの夜は更けていきました。

そうそう、今年(2006年)秋から、パブでの禁煙がはじまりました。
このパブでも、煙草は外で吸うことになりました。こんな片田舎で、誰も見ていないと思われるのに、ちゃんと外で吸っていたのには驚かされました。

 
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